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8月29日(火)
早朝、私が出て行く準備をしてると、チビ子も起きだし、ベッドの上で仰向きに寝て足を上げ、ゆらゆらさせながら、「ターター、リロリロ・・・」と歌を歌っている。夜泣きが嘘のようにご機嫌。この日は、夫とチビ子に見送られて、出て行く。
今日も始発。地下鉄や電車の時刻、乗り換え、行き先などは日本でネットで調べられるから便利で安心。ところが、想定外のことが起きた。乗り換えの駅に着くと、「本日は運転手のストライキのため全ての電車は運行しません。」との張り紙が。どうしょう・・・。ここから、アンティークフェア会場まで行く別の手段は、タクシーで行くか、ロンドンまで戻って、Victoriaからコーチに乗るか、Waterlooから別の電車に乗るか。でもロンドンまで戻って行く方法だと、少なくみても1時間半のロスタイムができるし、やったことがないから、それで行けるか確かではない。タクシーは、高いだろうなー。いくらだろう?駅前には沢山タクシーが並んでいて、試しにいくらか聞いてみると「50ポンド(12400円)ぐらい」と。うっ、高い。でも、家族をロンドンのホテルに置いて来てる私にとって、時間の方が大事。そこで高いのを覚悟して乗ることに。
以前の私なら、朝から上手く行かないことがあるとイライラしていた。だけど、今は、しょうがないと思い、選択を終え、次ぎに進んでいることに明るい気持ちさえする。これは子育ての賜物だろうと、タクシーの窓を流れる景色を見ながら考えていた。子育てなんて、ほとんど毎日、想定外のことばかり起きる。こちらはただやりたいようにするのを見守り、待つしかない。こっちも精神的に成長するよ・・・。 |
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野外のアンティークフェアはイギリスらしい様子で楽しい。 |
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遠いだろうなーと覚悟してると、意外にあっさり着いて「15ポンドプリーズ」と言われた。あっ、私ったら、「フィフティ」と「フィフティーン」を聞き間違えてたのね〜。
今日行くフェアは、インドアはシルバーやジュエリーなどを中心に値段は高めだが、質の良いものが揃っていて、アウトドアは、ガーデンもの家具など大きいものが多く、陶器や布などもあり値段も安めで、ガラクタぽいのをごちゃって並べて売っていたりして、その中から掘り出しものを見つけたりする。今回は手堅く、インドアから見てみよう。
自分が自分のためにアンティークを買っていたころと、ディーラーとなった今との違いは、買い物の早さと決断力。以前は、「とりあえず全部見てみよう。これよりも気に入るもの、もっと安いものがあるかもしれないし。」と思って、後で「やっぱりアレが良かった。」と思って戻って見ると売れてしまったりして悔しい思いをしたりした。今は立ち寄ったお店はその場で、買うか買わないか判断し、後戻りはしない。こうできるのは、今までに沢山のアンティークを見て来た経験から、イギリスでの相場を知っていて、日本での売値が想像できるからだろう。品の見極めもできる目になって来たのか、良く知らない範疇のアンティークでも心ひかれて買って来て後で日本で調べると、けっこう良い値段のものだったりする。
たいてい、「このお店のもの好み」と思った所には、よく見ると、次々に好きなものが出て来て、まとめて買うことが多い。2つ3つ値段を聞くと、そのお店が「まぁ、相場の値段」をつけてるのか「お得な値段」をつけてるのか分かる。自分のものを買う時は値段はあまり気にしないのだけど、仕入れと考えると高いものは買わない。「きっと他に安くてかわいいものを売ってるお店に出会えるはず。」と、考える。結局、最後にはそのやり方で、満足行く買い物ができる。
好みのものが沢山あって良心的な値段をつけてるお店では、あれもこれも欲しくなって、まとめて買うから「ベストプライス、プリーズ」と言うと、思った以上に値引きしてくれたりして、もともと高くないのに悪いなぁ、と思ったりする。そういう人は、更におまけまでつけてくれちゃったりして・・・。こういういい買い物ができて嬉しいと「早く、HPにアップして、みなさんに見せてあげたーい!」って思ったりする。
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しかし、イギリスのアンティーク市場からものが消えてることには驚いた。50'S60'Sのものが全然ない。前は欲しいものがゴロゴロあって選ぶのに困るって感じだったのに、正直、買う物を探すのが簡単でないといった状況。値段も上がってる。更にポンドも、以前、180円代だった時もあるのに、今は248円。つまり仕入れの段階で、2,3割増ぐらいの感じがする。これじゃぁ、どこの国のアンティークディーラーも厳しいだろうなぁ・・・。 |
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夕方、Midiwinterを通して知り合った夫婦BarbaraとDavidに会った。日本に来たこともあるDavidのお姉さんも一緒に宿泊先のホテルに来てくれた。お茶をしてる時、何を買ったの?という話になり、見せて欲しいわと言われ、部屋で見てもらうことにした。買った物を見ると、3人とも興味津々で、「これ私も持っていたわ。レザーのイヤリングは人気あるのよ。このブロ−チは陶器で出来てる。かわいいわ。いくらで買ったの?本当?!良くやったわ。」と。やっぱり好みが似ているのか、色々見せて行くと、みんなだんだん興奮してきて、色んな話をしてくれる。60代の彼らの子供のころや、若い頃の話も織り交ぜて。
こういうのって、本当、楽しい。趣味が同じで知り合った友達って、久しぶりにあっても、すぐ近づく。年齢も性別も国も関係なく、理解し合える。アンティークに関わることを仕事にしたおかげで、こういう友達が(お客さんの中にも)たくさんできたことが、私にとっては、一番の財産。幸せな人生をおくれる要素になってると思ってる。
Barbara達には、2ヶ月前に待望の初孫ができた。携帯の写真を見せてくれると、小さな赤ちゃんがバンザイして寝ていた。自分の孫に重ね合わせる面もあるのか、チビ子をかわいがってくれた。「もう少し大きくなったら、一緒に遊ばせたいね。」なんて話た。「チビ子は今度は英語を話すかも、」と笑いながら・・・。
私からチビ子に受け継がれて行くものがある。アンティークと同じように、時を超え、国を超え・・・。今回はそんなことを何度も考える場面があった。 |
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8月30日(水)
今日は久々にゆっくりできる。私はチビ子と午前中、ホテルでだらだら。今まで、アンティークフェアに私が行ってる間、チビ子の面倒を見てくれた夫は、今日は一人で自由行動。『男のロンドン』を、どうぞ堪能してきて下さいませ。
朝は「milk shake」というイギリス版、「おかあさんといっしょ」みたいなのがやってる。お兄さんお姉さんが歌って踊る前で、たくさんの子供達も踊ってる。
Nodyとかクマのプーさんとかのアニメもやってる。朝の忙しい時に子供にテレビを見せて、その間に家事を済ませようとする魂胆は、どこのお母さんも一緒なのね〜(笑)。
午後になって、「ちょっとショッピングセンターにでも行ってみようか。」とチビ子を誘う。この間は入らなかった奥のPRIMARK というお店が気になっていた。今までは、日本の方が安くてデザインのいいものがあるから、イギリスでは服を買ったことがなかった。ところが、最近はそうじゃなくなったかも!このPRIMARK 、すごく安いです。デザインだってかわいい。特に子供ものは、日本より安くてかわいいと思う。
夕方にPicaderyのフォートナム&メイスンで、夫とBrigittaとこの間会えなかったFred と待ち合わせをしていた。フォートナム&メイスンはやっぱり素敵です。色とりどりのパッケージもお土産にいいし、全て高級で美味しそうな感じがする。
ディナーはFredの知ってるエリアのビッフェスタイルのピザのお店で。FredとBrigittaは、相変わらず仲がいい。ポンポン会話をして、私達を笑わせる。アンティーク友達のDavid&Barbara夫妻は厳格なきちんとしたイギリスらしいカップルであるのに比べ、BrigittaとFredはイギリス人のユーモアな所を出したカップルだ。結婚しない理由は、お互いの生活スタイルがあるから、ということだが、お互いがどれだけ相手を思ってるかは、傍からみてもすごく分かるし、人生苦労してきてる分、人にとてもやさしい。「Saoriが30歳の誕生日に、あなた(現在の夫)に電話が通じないと心配して泣いてたから、私達は ワイト島に連れていってあげたのよ。」なーんて、すっかり忘れてしまった過去の話を持ち出されて、恥ずかしい思いをし、「あれは、それだけじゃなくて、30歳を迎え、一人で生きて行くことも考える女の複雑な思いだったのよぉー。」と心でつぶやきながら、当時の彼らのやさしさを思い出した。チビ子もFredとBrigittaにすっかり慣れ、くつろいで、ガンガン手づかみで食べて、「よく食べて偉いわ」と誉められて、益々調子に乗って、手を叩いて楽しそうだった。こうして、イギリスにいるBrigitaに夫と娘を会わすことをずっと考えていた。それが、彼らに対する何よりの恩返しのような気がして・・・。
別れ際は、意外とあっけない。同じホームで逆方面の地下鉄に乗るんだけど、「あっ、来た。乗れる。じゃあね、バイバイ。」って感じで、あわただしく行ってしまった。まるで、また明日にでも会う感じで・・・!
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8月31日(木)
さすがに疲れた。毎日、出歩いて、人に会って・・・。チェックアウトの12時まではホテルでゴロゴロ。本当は、9時にパディントン駅から、カントリーサイドへ行く予定で電車を調べていたのだけど、午後からの出発になってしまった。パディントン駅で切符を買うとき、新たに2 つのことを知った。降りる駅とその後ロンドンに戻る時に向こうで乗る駅が違うのだけど、エリアが同じだとReturnチケット(往復)が買える。私はその都度、singleチケット(片道)を高いけど買わないと行けないのかと思っていた。イギリスの切符の買い方はよくわからないけど、何日か前に買うと安いみたい。それから、乗り継ぎの駅(今回Barth)と時刻(14:50)をレシートみたいのに出してくれて助かった。しかし、イギリスの電車は時刻通りに行かない。結局到着が遅れて、Barthで駅員さんに乗り換えを聞いたがホームの掲示板には全然知らない地名ばかり並び不安な気持ちで待っていた。入って来た電車が、なんと1両!乗る人も一杯いるし、ベビーカーに荷物だし、乗れるか?なんとか乗った後も何駅か分からないし、アナウンスはないし、駅に電車が着いてから駅名見てで、降りれるしかなかった。今回の旅で、ここが一番大変なところでしたそうイギリスの列車って、自分でドア開けて降りるんですよ。それもノブは内側にはなく、窓を降ろして手を出して、外側にあるノブを回してドアを開ける。結構ドキドキです。プラットホームに人がいれば開けてくれるので、真ん中辺に乗るのが良いでしょう。
イギリスの田舎町では、駅はたいてい町外れにある。それは、最初に、教会をはじめ人々の住む街ができ、鉄道は後からできたからだ。Bradford-on-Avonの駅からタクシーに乗って、街を抜け、宿泊先のファームハウスに向かう。古い石造りの町並み。所々かわいい雑貨屋さん、インテリアのお店、食材屋さん、花屋さんなどを見つけ、心が躍る。イギリスの小さな街はいい。カントリーサイドはイギリスの良い所がいっぱい詰まってる。小さな街はあっという間に抜け、両サイド緑の平原の道を進む。築300年のコテージのあるファームハウスは本当に素晴らしいものでした。敷地に入ると芝のグランドがあって、子供たちが走り回って遊んでる。ヤギやニワトリが離してある牧場があって、そして、コテージの前には、アンティークの農作業の道具が置かれてる。奥に、ファームハウスのオーナーの家があって、時代を感じるどっしりとした木の扉を入ると、センスの良いリビングと、その奥には緑のガーデン風景を楽しめるガラス張りコンサバトリーがある。ここで朝食をいただけるなんて最高だろう。自由に入れるよう部屋の鍵とオーナーの家の鍵の2つを渡されるのだけど、鍵が、あのアンティーク鍵なんですよ! |
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私達のコテージに鍵を明けて入ると、とてもいい香りが。カントリー調ベッドが可愛い。チェストの上に置かれたウエルカムフルーツやショートブレットや紅茶、カーテンレール、バスルームの石鹸やタオルも全てがかわいい。このいいにおいはそうしたお花やフルーツや清潔に洗われたタオルやシーツからくるものなんだと分かった。本当に、感動。うっとり・・・。
夫とチビ子は、大きいけど、穏やかなわんちゃんやヤギさんたちと触れ合って、敷地を駆け回り、ロンドンでの疲れもどこかに行ってしまった感じで、いい表情をしてました。
夕食は出さないので、タクシーを呼んでもらって、再び街へ。タクシーのおじさんお勧めのタイレストランThai Barn に行きました。そこでは、カレーとジャスミンライスとソーイソースヌードルを頼んだのですが、美味しくて、チビ子が一口食べたら、笑顔で拍手したほどでした。このタイレストランに入ったら、トイレに行くのをおすすめする。トイレそのものではなくて、そこまでの道のりが、細い急な階段を上がったり、部屋が奥にもあったりと思いもよらない構造になっていて、「昔の建物はこんな感じになってるたのか。」と面白い。ふと、いにしえの人々の生活が脳裏に浮かんできたりする。
帰りのタクシーを待つ間、芝の公園を歩いたり、川を見下ろしたり。8時近くても、まだこんなに明るいんです。イギリスはどこでも芝の美しい公園があって、くつろげるので、羨ましい。こういう環境が家族を仲良くしたり、犬を穏やかにしたりするんじゃないかなぁと憧れます。 |
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